教授の戯言

手品のお話とかね。

夏のつれづれ1

書いてみると意外に7月は手品活動してたなという感じですが、そこ以外は全く手品をしていないに等しいです。本当です。「会長はメイド様!」とか読みながらニヤニヤしてました。美咲ちゃんは何であんなに可愛いのか。

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▼7月2日:洋書購読会
まあそんな活動もしてはいるのです。訳し始めると面白いが取りかかるまでが辛い。あとトリックメインで訳している身としては、当初参加者を見回して「こんなマニアの皆さんは今更トリックとか興味なかろうなー」とか思っていたのですけど、理論書ネタが2つ続くともう全員辛くなってくる事が分かったので、みんなの一服の清涼剤として頑張りたい。実はBannonの「Dear Mr.Fantasy」も半分くらいは訳しています。ティヒヒッ(まどか笑い)。



▼7月3日:こざわまさゆき独演会「とうだい!」
ということで昨年の「けいおう!」に続き、今年はこざわさんの「とうだい!」に参加してきたわけですが、私は手品を見に行ったんじゃなくて「けいおう!」の頃より編集頑張れるようになろうという、そういった映像素材集めのためでした。しかし節電中らしく、物凄く暑かったので泣きそうでした。自販機まで動いてないとツライです。最後の質疑応答で、こざわさんが手品を始めたきっかけについてのお話。大学のサークルの手品を見に行ったときに「…あんまりうまくないですね」と思い、「これなら僕にもできそうって思ったんで」と。などと、さりげなくけいおんネタを2つ混ぜていたけど、東大生は誰も反応してませんでした。無論私も目はそらしました。 
ゲストとして齋藤修三郎さんが「ひたすらカードを当てまくる拷問のような手品」をやっていたのですが、どれ一つとっても分からぬ。キモい。


なお全編通して東大の方たちの反応を見、私と反応する場所が違う、と思ったのだけど、間違い無く彼らが正しい気がする。暑さとカメラが気になってたというのもあるけど、多分私はこざわさんの裏の作業を追い続けていた気がする。邪念溢るる見方w
演目自体は「けいおう!」にカブる部分もあったが楽しめました。こざわさん、キャラの"安定的な不安定さ"がいいですよね。あと彼でも失敗はするんだな、というのは興味深かった。とりあえず私も含めて皆輝いていました。…滝のように流れる汗で。


そういえばブログを読んでくださっていた東大の方がいらっしゃって、大変ありがたいやら申し訳ないやら不思議な気分に。私など「small magician」を「物欲が刺激される、大変けしからんサイト」と思っていたのですが、こっちもこっちでそれなりに物欲を刺激していたらしく、悪の枢軸認定でした。あとこざわさんと齋藤さんともうお一人以外、あの場できょうじゅが私というのを知ってる人はいないはずと油断していたので、折角声をかけて頂いた時に妙にキョドってしまってすみませんでした。東大で最も売れてるラノベが「僕は友達が少ない」らしいとどこかで読みましたが(2011年どこか時点)、手品以外の楽しいことを見つけるべきです。でないとこういう人になっちゃうぞー?(切実な脅迫) 



▼7月9日:OB向け講習会
出身大学の。まあ色々学ぶ点があった(私は本来のレクチャラーではなくコーディネーターの一人)。そしてどっちかというと会の後の懇親会が楽しかった。月2以上のペースで一緒に飲んでるのに、初めて見た二川さんのコインマジック、笑っちゃうくらい不思議。「エンドレスな空間に迷いこむとこうなのかな」という一端を垣間見ました。シルベスターピッチみたいな奴なのだけど、やり方聞いてから見てなおキモイ。絶対時空が歪んでる。ノンギミックの500円玉数枚でアレは至芸。もうリテンションパス一回とかだけでコインはいいよとか思ってたけれど、二川さんの引き出しは深遠でありました。多分あのキモさは見た人にはご同意頂けると思う次第。ほんとに不思議だと自然に笑えてくる、というのを久々に体感。


諸先輩に「最近こんなの買いまして」という話をすると「それは40年くらい前にこういうのがあったよ」とか言われることが多い。プロモーションを変えるだけで、手品業界にもサイクルがあるのでしょうかね。後はアレか、世代的に2回りくらい前のは知らないのでオリジナルと思っちゃうとかか。まあ私程度が見ても、それどこそこで見たよ、とか割とありますしね。世の"オリジナルで勝負したい人"は大変でしょうねえ(他人事)。


なお前夜にバノン本におまけとして付けるために注文しておいたデック各種を開けてみたんですけど、付属特殊カードが意外に違うことを知る。ちなみにバイシクルオレンジ:BF2枚 同グリーン:BF1・表裏5枚印刷された一見ミニカード(ディミニッシングリターンズに使えそうな) 同フクシア:BF2 同ターコイズ:BF1(何故かバックが黒枠)・AHと3Cの各1ピップス違い(スキナーのモンテに使う奴) 結構バラバラ。発送作業などもやっておりましたが、私の手持ちは"置いといても邪魔にならないくらい"にはなりました。お買い上げ頂いた皆々様、有難うございます。
shadowさんの「素人マジシャンの一人言」および、wataruさんの「汝その名はスイートマジック」にてご感想を書いて頂けたようで大変嬉しく思っております。

自分の手持ちの冊数より、作ったおまけパケットの方が多くて、これをどう処理したものかに悩む昨今w MagicHouseにでも商品として置いて貰えば良いのかしら。



▼そういや唐突ですが、その頃見たこれが不思議だった。アイスホッケーなんですが、突然現れる審判。フランツ・ハラーレイ的なイメージ。
Franzen Takes Kane's Mouthguard


▼7月14日:長谷和幸さんレクチャー
所属サークルのイベント。長谷さんはDVDでしか拝見したことが無かったのですが、実際お会いしてツワモノだなあ、と思いました。あと何といいますか、凄くいい方で恐縮してしまいました。レクチャーなのですが、アイディアの開陳が大変興味深く、序盤こそデックを使って色々という感じだったのですが、不思議満載なアイディアレクチャーといった趣でした。

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01.David Acher "Overtime" 02.Robert NeilとBob Hammer? "More Lies" 03. とあるメモパッドを使った読心。たまたま後日とあるお店で散歩途中の二川さんに遭遇したのは秘密(当然それを買いに来ていらしたw)。 04. 電卓を使った予言(Osterlind)のアレみたいなやつ。電卓の選び方まで。長谷さんこんなに開陳しちゃって大丈夫ですかw 05.David Hoy式ブックテスト、ミスコールのタイミングについて。これは自然だった。元の原理を知ってて尚引っかかりました。 06."サルラック"。彼の「Latar Creations」所収。まさかの「いやあ、これがこのDVDの中で一番適当に思いついたやつなんですけど、一番好評で、…作者としては複雑です」に噴くw でもいい原理だよなあ、これ。殆ど真横から見ても大丈夫でした。難点はハードカバー本を持ち歩くから重いことですか。 07.ハンカチを使ったライジングカード。 08.Ron Wilson "How odd" 言葉を使うマジックというか、「私は偶数、マジシャンは奇数枚」のあれ。 09.センターテア。まさかコインマジックの技法をこれに使うとは。その発想がまず私にはできない。処理も観客の死角になっていてまず見えようがない。私案として腕まくりした袖に挟んできてしまうのを思いついた。


終わった後の飲み会で「なんかやってください」とか恐怖の無茶振りが始まり、場で一番若い私に拒否権は無かったという。高木さんの奥様とかいらっしゃるのに手品とかしちゃダメだろと。…しましたけど。齋藤修三郎さんに教えて頂いたえーと、“Fairest of Them All”, Marv Leventhal & Dan Harlan、アレで乗り切りました。ありがとうございました。最近テーブルあるとこればっかりです(バカの一つ覚え)。



▼7月17日:ダイビング
伊豆・神子元にて2年ぶりスクーバダイビング(日帰り)。神子元というのはドリフトのメッカであり、海流が凄く複雑で速いのです(というのを読んだ)。結論として、「2年のブランクがある人間がそんな場所で潜るのは危険」ということが分かった。あんなにうねる海流初めて。岩を掴んでても体が保持できないとは怖すぎる。あと生まれて初めて、ウェイト脱落も経験w 全然沈んでいかないの。ショップの別のインストラクターさんの落とした指示棒を拾ってきたということで満足ですが。滅茶苦茶頭も痛かったなあ。吐こうと思ったら胃が空っぽで何も出てこなかったりとかね。あそこで修練を積めばどこの海域でも余裕だと思う。やはり東京からは遠いんだけども。



▼7月24日:入江田翔太さんライブ「Cut」
基本的に小劇場系イベントには行かないのですが、ものは試しと。最初、舞台上での彼のキャラの設定を飲み込むのにちょっと時間がかかってしまったのだけれど、それが分かってからは楽しめました。ラーメンズっぽいというか芝居を交えた一人手品のような感じの。別の場所で手品だけ拝見して「上手な方だなあ」と思っておりましたが、劇場で拝見するとまた違った側面が見えた感じです。あと出身校の関係だと思いますが、前後左右を東大関係者に囲まれるという、個人的に大変ドキドキなイベントでした。大原さんとか日向さんとかいましたですよ、怖い怖い。なお連れて行ってくださった方に「これ、"東京大学卒、ないし在学中の者は去れ!"とか言われて、僕ら二人だけ残ったら笑えますよね」とか言われて総統閣下シリーズでおなじみ、「ヒトラー最後の7日間」のあのシーンが思い浮かんでしまいました。でもホントに多分東大関係者が多かったと思います。よく知りませんけど。


「人が笑う、盛り上がる、というのはどういう状況に於いてなされるのか」というのが最近よく分からなくて、プロ・アマそれぞれどういうことをしているんだろう、というのを確認すべく参加したという側面がありました。入江田さんのトリックのチョイスそのものはいわゆる鉄板であり(Milk in Lightbulb とかは久々に見たけど)、笑いが起こるのは大体天丼部分でした。やはり"盛り上がる"のは手品というより話術部分による部分が大きいのであろうか。まあなにはともあれ前列にいたおねーさんがとても美人だったし、帰りにスタ丼も食べたのでそれで満足。 (2に続く)  437248